
はじめに
ゴルフを再開して数年。クラブも少しずつ買い替え、7Wやユーティリティも増えました。
それなりに考えて選んでいたつもりでした。でも、ある日のラウンドで、自分が何も分かっていなかったことに気付かされます。
きっかけは、170ヤードのPar3でした。
「何番で打つ?」
170ヤードのPar3。ティーグラウンドで全員がクラブを選んでいました。
私は何気なく同伴者へ聞きます。「何番で打つ?」※本当は聞いちゃダメですよ(笑)
「7番ですね。」
思わず自分の手元を見ました。握っていたのは5番アイアンです。
「えっ?俺は5番だけど……」
一瞬、頭の中が止まりました。
その場は笑い話で終わりました。「最近のクラブは飛ぶからね。」その一言で片付いたはずでした。でも、家に帰ってからも、この出来事だけは頭から離れませんでした。
同じ170ヤード。それなのに、番手は2つ違う。なぜだろう。
ストロングロフトという言葉は知っています。最近のクラブはロフトが立っている。そのくらいの知識はありました。
でも「知っている」と「理解している」は、違いました。
私は、自分のクラブのことを、実はほとんど知らなかったのです。


あなたの5番アイアン、ロフト角は何度ですか?
私は、答えられませんでした。
家じゅうのクラブを並べてみた
次の休日、キャディバッグをひっくり返しただけでは終わりませんでした。クローゼットを開け、物置を漁り、押し入れの奥からも、眠っていたクラブを引っ張り出したのです。
昔使っていたアイアン。合わなくて外したユーティリティ。何となく残してあったフェアウェイウッド。並べてみると、思っていたより本数がありました。
バッグの14本だけ見ていても、本当に自分に合うセッティングは作れません。入れ替える候補は、バッグの外に眠っていることの方が多いのだと、このとき初めて実感しました。
テーブルに紙を広げ、一本ずつ番手・メーカー・モデル名を書いていきます。続けてロフト角。刻印されているものはそのまま写し、刻印がないものはメーカーサイトを開いて調べました。
地味な作業です。正直、途中で何度か手が止まりました。でも、この時間が、あとで一番効いてきます。

書き終えた一覧を眺めてみます。「なるほど。」……とは、なりませんでした。
ロフト角の数字が並んでいるだけ。「だから何?」というのが、率直な感想でした。
でも、あと一つ書き込んだ瞬間、景色が一変します。
飛距離を書き込んだ瞬間、「そういうことか!」
ロフト角だけの一覧表は、ただの数字の羅列でした。ところが、そこへ自分の飛距離を書き込んだ瞬間、一気に見え方が変わったのです。
紙の内容をExcelへ打ち直し、ロフト角の横に「自分は何ヤード飛ぶのか」を一本ずつ書き加えていきます。
「そういうことか。」 思わず、口に出していました。ずっと引っかかっていた違和感が、一枚の表の中でつながった瞬間でした。
ドライバーは230〜240ヤード。3Wは約220ヤード。5Wは約210ヤード。
数字だけなら何もおかしくありません。でも、その数字を見た瞬間、ラウンド中の景色が浮かびました。「そういえば……3Wを最後に使ったの、いつだ?」手が止まりました。
飛距離差は約10ヤード。しかも5Wの方がミート率は高い。だったら3Wって、本当に必要なのかな。そんな疑問が、初めて頭をよぎりました。
逆に気になったのが、ユーティリティとアイアンです。距離が飛びすぎる番手と、逆に空いてしまう番手。今までは「今日は当たらなかったな」で済ませていました。
でも、違ったのです。問題はスイングではなく、クラブ同士の距離関係だったのだと、表を見て初めて分かりました。
私はこれを、勝手に「飛距離階段」と呼ぶようになりました。
一段ずつ、10〜15ヤードずつ上がっていく階段。その途中に、同じ高さの段があったり、一段抜け落ちていたりする。それが、一覧表を見るだけで見えてくるようになりました。
💡私はこの一覧を見て、「7Wとユーティリティの役割」も改めて見直しました。
👉7Wとユーティリティ、どちらを入れるべきか悩んだ経緯はこちらで詳しく書いています。

見るべきなのは飛距離じゃありません。飛距離差ですよ。
AIは先生ではなく、相談相手
ここまで整理して、私は初めてAIを使いました。ChatGPT、Claude、Gensparkに同じ一覧表を見せ、「このセッティング、どう思う?」と聞いてみたのです。
最初からAIに聞いていたら、きっと納得できなかったと思います。自分で一覧を作り、重複と空白を見つけたあとだったからこそ、返ってきた提案を自分の言葉で判断できました。
考えるのは、自分。AIは答えを出す人ではなく、相談に乗ってくれる相手でした。
何度かやり取りを重ね、決めました。「3Wを抜こう!」空いた距離帯には、ユーティリティを足そう、と。
バッグは以前よりシンプルになりました。それなのに、安心感は増えていました。
💡私は今回の見直しで、14本全体のバランスも考え直しました。
👉現在のクラブセッティングはこちらで公開しています。
私が見直したのは、クラブではなく「自分」
3Wを抜き、ユーティリティを足しました。飛距離階段は、以前よりきれいにつながりました。でも、一番大きな収穫はそこではありません。
自分のクラブを知るようになったこと。それが、今回の一番の収穫でした。

以前は「170ヤードだから5番かな」という感覚だけで選んでいました。今は違います。このクラブは何度。このクラブは何ヤード。次は何ヤード。一本一本の役割が、自分の中で見えるようになりました。
クラブ選びで迷う時間が減りました。ラウンド中の不安も、少しずつ減っていきました。
ストロングロフトだから飛ぶ。昔のクラブだから飛ばない。そんな単純な話ではないのだと思います。20年前のクラブでも、何ヤード飛ぶかを理解していれば、立派な戦力です。逆に最新クラブでも、距離階段が分かっていなければ、性能は活かせません。
ストロングロフトを否定したいわけではありません。優しくて飛ぶクラブは、私も大好きです。
ただ、買い替える前にやることがある。それが、今持っているクラブを知ることです。
順番は、そこなのだと思っています。

クラブを買い替える前に、まず“持ち物検査”ですね。
自分だけのクラブカルテを作ってみませんか
今回やってみて、一つ感じたことがあります。「一覧にしてみるだけで、こんなに見えるものが変わるんだ。」ということでした。
特別なソフトは必要ありません。紙でもいいですし、Excelでも構いません。まずは次の項目を書き出してみてください。
- 番手
- メーカー・モデル名
- ロフト角
- 自分の飛距離
- 気付いたこと(使用頻度や打ちやすさなど)
たったこれだけです。
書き終えた頃には、どのクラブが活躍していて、どのクラブが役割を失っているのかが、自然と見えてきます。
私は、この一覧を作ったことで、3Wを抜く決断ができました。
でも、それが正解という話ではありません。人によっては、「昔しまったクラブを戻した方がいい」という結論になるかもしれません。
大切なのは、答えではなく、自分のクラブを知ることです。
ぜひ一度、あなただけの「クラブカルテ」を作ってみてください。

紙一枚あれば十分です。まずは書き出すところから始めてみましょう。
まとめ
170ヤードのPar3。「何番で打つ?」の一言から、私は自分のクラブを見直すことになりました。
家にあるクラブを全部引っ張り出す。ロフト角を書く。飛距離を書く。一覧にする。たったそれだけです。
それでも、その一枚の表が、私のクラブセッティングを変えました。
今は、クラブを買わなくて大丈夫です。まずは、家にあるクラブを全部並べてみてください。キャディバッグだけでなく、クローゼット、物置、押し入れも含めて全部です。
きっと、昔の自分が、未来の自分へ残してくれた一本があります。
ロフト角と飛距離を書き込めば、あなただけの「飛距離階段」が完成します。 重複している番手、空いている距離帯。そこまで分かって初めて、「次に買う一本」が見えてきます。
私は、あの日番手が2つ違ったことに、今では感謝しています。あの日がなければ、自分のクラブをここまで真剣に調べることは、きっとなかったでしょう。
今夜、クラブを一本、手に取ってみませんか。

ゴルフは道具選びからではなく、自分を知ることから始まるのかもしれませんね。
編集後記
私はこれまで、新しいクラブが欲しくなると「何を買おうか」ばかり考えていました。でも今回、家にあるクラブを全部並べて思ったんです。「意外と良いクラブを、もう持っているじゃないか」と。
もちろん古いクラブもあります。最新モデルに比べれば性能差もあるでしょう。
でも、そのクラブの役割を理解して使うことの方が、私にはずっと大切でした。
この記事がきっかけで、一人でも多くの方が、自分のクラブを見直す時間を作っていただけたら嬉しく思います。
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